本加工事例は、材質 SPH270、板厚5mmの鋼板 に対し、十文字形状の全せん断加工 を施したものです。本サンプルの特長は、側面全周にわたり均一かつ平滑なせん断面が形成されている 点にあります。
一般的な打ち抜き加工では、パンチによるせん断時に曲げモーメントや側方力が発生し、特に十文字形状の角部ではせん断面の不均一やダレ、破断が生じやすくなります。しかし、本サンプルでは 側面全周が均一かつ平滑に仕上がり、通常の打ち抜き加工と比較して非常に高精度な加工が実現 されています。
この成果は、現行の金型材料や被加工材の特性を見直し、当社独自の工法を確立したこと によるものです。これにより、切削加工から高精度なプレス加工への転換を可能にし、座面のダレや側面の破断を解消 しました。
また、当社の 金型製作ノウハウを活かし、切削工程をプレス工程へ転換することで生産効率を向上させ、コストダウンのご提案も可能 です。
本事例は、塑性加工の総合専門誌『プレス技術』2025年2月号(2025 Vol.63 No.2) に掲載されました。